お金では買えない"人生の厚み"をもたらしてくれる「魅力のある趣味」by 高野誠一郎さん
「withuma.」vol.66 高野誠一郎さん
Profile
お名前:高野誠一郎さん
年齢:64歳
居住地:大阪府
第66回は、キャロットクラブさんで一口馬主をされている、高野誠一郎さんです!
いったいどのような「withuma.」を送っていらっしゃるのでしょうか?
高野誠一郎さんの「withuma.」
写真:本人提供
15年前、友人に勧められて初めて京都競馬場に行きました。
その後も計4回行ったのですが、馬券が全く当たらず、帰り道の自販機で"もう一本"が当たって友人に自慢していたら、タイムオーバーでそれもダメになりました。
もしかしたら私は競馬に向いてないかなと思っていたのですが、友人の強い勧めで5回目の京都競馬場に嫌々半分で行きました。
前半は、いつものように全くダメでしたが、あれは忘れもしない「萩ステークス」。
パドックで目が合ったお馬さんを軸に3連単を買い、人生初めて9万円勝ってしまいました。
これが不幸の始まりです。
友達の勧めで、「3連単ボックス5頭で行った方がいいよ」と言われ、当初はその形に没頭にしていました。
一時期は仕事も忘れ、地方競馬にも手を出し、競馬漬けの毎日を過ごしましたが、勝てるはずもなく、生活リズムもおかしくなり、友達に促され土日のJRAだけにしました。
最近は「3着で良いんだ」という気持ちで、複勝に命を賭けるようになり、余裕のある時はワイドを買うようになりました。
撮影:片川晴喜
写真:本人提供
特に競馬にハマってしまった理由としては、共通の友人がキャロットクラブで一口馬主を長年やっていて、その魅力に少し溺れました。
私自身も2013年から一口馬主を始め、常に現役馬が5頭位いるように出資しています。
馬券も空振りで、やっと当たった自販機の"もう一本"も時間切れ…
エピソードとしては最高に面白いですが、ご本人からすると、とんだ災難ですね(笑)
一度大きな馬券を取ってしまうと、のめり込んでしまうのは競馬ビギナーあるあるですよね。
最近は、3連単から複勝・ワイドといった券種に変えられたとのことで、射幸性の高いものから堅実派になられたのだなと想像をいたします。
現在は、キャロットクラブさんで一口馬主もされているのですね。
また馬券とは違った競馬のロマンを、比較的手軽に楽しめるところが一口馬主の魅力ですよね。
高野誠一郎さんの「Loveuma.」
競馬を始めて良かったことは、競馬好きの方は意外と人に"競馬好きであること"を言わないのですが、こちらから競馬好きのヒントを与えると、無口な方も多弁になってしまうという、そういった魅力のある趣味だと思います。
私自身、友人の幅も増え、仕事先の担当の方とのコミュニケーションも円滑になり、お金では買えない人生の厚みを感じるようになりました。
今まで馬とは関係なく付き合っていた人が、すごい馬主さんや関係者さんだったりして、快く競馬場の席を取っていただいたり、今まで以上の信頼をいただけていることについては、全て競馬という存在がそうさせてくれているので、競馬との出会いには感謝しています。
また、いくら高額な馬でも、いくら安価な馬でも、いくら良血の馬でも、いくら目立たない血統の馬でも、真剣勝負になれば根性のある馬が勝つのは「人間と同じだな」と思うところがあります。
だから皆さんも、今の現状に甘えて頑張るのを辞めないでほしいと思います。
撮影:片川晴喜
写真:本人提供
そして、馬からも大切なことを学びました。
元出資馬であるクルークハイトは、3歳の春に初勝利を挙げてから、しばらく勝てなかったのですが、後半は自分のポジションを作ってオープンクラスの馬になるという、大器晩成型の馬でした。
私も現在会社を経営していますが、大器晩成という部分では、自分と似ているところがあると感じています。
「諦めたらダメだ」ということを、彼女が教えてくれました。
おっしゃる通り、競馬=ギャンブルというイメージは最近でこそ薄れてきましたが、一昔前は自ら口にするのが憚られるシーンもあったのではないかと想像いたします。
だからこそ一体感が生まれると言いますか、理解し合える友と出会ったように思えるのですよね。
私も競馬を好きになっていなかったら出会えなかった、もしくは深いお付き合いを出来ていなかった先輩方が沢山いらっしゃいますので、この出会いにはとても感謝しています。
クルークハイトは、母ヴァイスハイト、母の母にソニンクを持つ血統構成。
血統に詳しい方なら誰もが知る、あの"ソニンク牝系"の継承者ですよね。
2勝クラス、3勝クラスを連勝したのが5歳の夏と、確かに晩成型であることが分かります。
すぐに結果が出なくても諦めずに挑戦し続けること、クルークハイトを見習って私も頑張りたいと思います!
引退馬問題について
撮影:片川晴喜
これまでに出資してきた馬たちは、中央登録抹消後、ほぼ地方競馬に行っていますが、しばらく経つとネットで探しても行方がわからなくなり、少し寂しい気がします。
サラブレッドは産業動物と言われていますが、彼ら、彼女らも地球上で共に生きている生き物なので、引退してからの余生をどのようにしたら良いのかは、みんなで考えるべきだと思います。
引退後の状況をみなさん知らないと思うので、知りたくはないかもしれませんけど、周知するべきかもしれません。 それによって生産の調整や、過酷な出走を控えるなど、いろんな努力をする形が見えてくるかもしれませんね。
キャロットクラブでご出資であれば、ノーザンファームさん生産の良血馬も多いですから、牝馬であれば繁殖に上がってセカンドキャリアを送っている馬も多いと思います。
ただ牡馬は…サラブレッドオークションに出て地方で走っている馬も沢山いますが、その後行方が分からなくなってしまうことも多いですよね。
仰る通り、知ってもらうことの必要性は私個人としても感じています。
知った上でどうするかは個人の判断になりますが、今後もメディアでの制作を通して、多くの方に"考えるきっかけ"を提供できるよう努めて参りたいと思います。
今回は、キャロットクラブさんで一口馬主をされている、高野誠一郎さんの「withuma.」を伺いました!
毎週定期更新してまいりますので、次回もよろしくお願いいたします!
「withuma.」では、馬にまつわる活動や、その思いについて発信していただける方を募集しております。
リモート取材は一切なく、専用フォームからアンケートにお答えいただくと、その内容が記事になります。
今後も「withuma.」を通して、引退馬問題前進の一助となれるよう、微力ながら馬事産業・文化に携わる人を発信していきますので、是非皆さまからのご応募をお待ちしております!
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協力:高野誠一郎さん 取材・文:片川 晴喜 編集:平林 健一 著作:Creem Pan
>「3連単ボックス5頭で行った方がいいよ」
いや、よくない。( ☜ ワタシの場合😛)
原則として1レースあたり600円までしか使わない、という超ローリスク派なので、通常はワイド4頭ボックス、3連複4頭ボックス、3連単3頭ボックスのどれかしか買いません。(例外は推し馬の単勝や馬単)
3着以内馬の予想は天気予報型(当日の状態を見ないとわからない)。パドックで「走る気あり」に見えたら前走二桁着順でも買います。
競馬を見るようになって2年後ぐらいに、リリックドラマ&シャンティローザ&レオコックブルーのボックス買いで「遅れてきたビギナーズラック」を経験しました。払戻金を引退馬支援に全額寄付してアブク銭を浄財に変えました。🙏🏻✨
ダイアナブライト、応援していました。母のチェリーコレクトは良い繁殖牝馬だと思います。
母娘共にサクランボ系の名前で可愛い。🍒
クルークハイトは名前のとおり賢そうな芦毛美人さんでしたね。
ソニンクの孫ってことは、えーと🤔。。。ディアドラのいとこ? ホント、名牝系のお嬢様だ❣️
今は2頭ともお母さんなのですね。元気でよく走るお子さんに恵まれますように☺️❤️
動物介在活動(AAA)ってありますよね。(AAA=Animal Assisted Activities)
競馬もそういう活動の一種では?と密かに思っています。競馬でつながる人の輪って、AAAの成果ではないかと。🫶🫶🫶🫶🫶🫶
節度を持って楽しむ限り、競馬は「クライアント(競馬ファン)のQOLを向上させる」というAAAの定義・目的にも合致しています。財布でなく人生をより豊かにしてくれる「動物介在活動」として、もっと広く認知されてほしいものです。
サラブレッドにはせっかく個体識別のためのマイクロチップが埋め込んであるのだから、競走引退後もトレーサビリティを維持すればいいのにと私も思います。
馬名を変更するならするで、元の名前もちゃんと記録しておけばいい。(平安騎馬隊の大文字号がタールタンと同一動物だとわかったときは嬉しくて泣きました😭)
個人的には、競走馬が品種改良を目的とした育種対象動物である限り、「淘汰が避けられない」という現実は受け入れるべきだと考えます。
しかし、レース引退後は、屠畜に直行ではなく、すべての馬に対して一定の慰労期間(最低2年)を設け、良好な環境で休養させる制度を作ってほしい。
JRAが補助金(2年間の飼養管理費の8割負担ぐらい)を出し、全国各地に休養施設(牧場)を整備し、競馬法で「所有馬の競走登録抹消後の慰労期間のためのディポジット」を馬主さんに義務づけるのはダメでしょうか?
法人馬主含め、費用面で馬主要件のハードルを少し高くすることで、生産頭数の適正化につながるのではないかと思うのですが。競走馬をこれ以上むやみに増産するのは反対👎🙅🏻🙅♀️
慰労期間に次の行き先が決まらなかった馬は、最終的に(極力人道的な方法で)屠畜に付されるとしても、生存中に「行方不明」にする必要はない。繋養先(またはその連絡窓口)と馬名をリアルタイムで公表することで「引き取りたい!」と希望する人が出てくるチャンスがあります。
希望者は、たとえば2年間かけて資金を貯め、預託先を確保し、場合によっては費用を分担する仲間を募り、引退馬支援団体から助言も受けて、計画的に引き取り準備をすることができます。