中津競馬の経営難に立ち向かった"元祖アイドルジョッキー" by 小田部 雪さん
「withuma.」vol.48 小田部 雪さん
Profile
お名前:小田部 雪
ご年齢:46歳
居住地:九州
Twitter:@YUKI19760604
第48回は、中津・荒尾競馬の元騎手で、現在は佐賀競馬専門紙で予想をされている、小田部雪さんです!
いったいどのような「withuma.」を送っていらっしゃるのでしょうか?
小田部 雪さんの「withuma.」
中津、荒尾競馬でジョッキーをしていました。
父が元々ジョッキーをしていて、引退後に調教師となり、私は厩舎の娘として育ちました。
中学2年の時、父に弟子入りをした私の兄弟子にあたる方が、プロとしてのデビューに向けて取材を受けているのを見て、自分の進路も決めなきゃいけない時期だったこともあり、父に相談したのがきっかけです。
その当時、中津競馬は毎年赤字経営が続いていたこともあり、当時ではまだ珍しい“女性ジョッキ―”という話題性があった方が良いと考えたからです。
写真:本人提供
この写真は私が引退前に参加したレディースレースの時の写真です。 △くらいの印で勝利し、厩務員さんに喜んで貰えたのがとても印象に残っています。
写真:本人提供
現在は、佐賀競馬専門紙「馬物語」で競馬予想のお仕事をしています。
昨年の7月頃に、佐賀競馬場で厩務員をしている中津競馬時代の幼なじみから、「小田部さんに予想をお願いしたいからやってくれるか聞いて欲しい。」との話を伝え聞き、そこから馬物語の代表と繋がったことがきっかけでした。
予想では、レースに出走する馬の過去のレースを見て、その週の天気や馬場状態、その馬の特徴なども考慮して印を付けています。
たくさん競馬場に足を運び、もっと馬たちの様子など勉強し予想に活かしていきたいと思っております。
小田部さんのことは、"元祖アイドルジョッキー"としてご存知の方もいらっしゃるかと思います。
騎手時代の通算成績は2754戦196勝、重賞タイトルも3つ取られています。
経営が傾いていた中で、騎手になることを決意されたとのこと、自身が育った中津競馬への想い入れの深さが伺えます。
小田部 雪さんの「Loveuma.」
馬の目って凄く大きいし澄んでますよね。 体は大きいけど、本当は凄く気が小さい動物でもあります。
そんなギャップも可愛いんですが、レースとなると目付きが変わり一生懸命走る。 人間と一緒で、褒めてあげると喜んでる様にも見える。 言葉は話さないけど、例えるなら大きな子どもみたいだな〜って思います。
写真:本人提供
以前、佐賀競馬場に「タガノキトピロ」という推し馬がいたんです。
キトピロはパドックで舌をペロっと出したまんま周回してて、その可愛い顔に一目惚れしました!
それ以来ほとんどのレースは見に行きましたね。
パドックを周回してる時は眠そうに回ってるのに、騎手が騎乗すると目付きが変わり、しかもレースでは強い!
何て馬なんだ!と衝撃でした。
何度も重賞に挑戦してやっと勝てた時は、自分が重賞を取った時は泣く事なんてなかったのに、初めてレース見て号泣しましたね。笑
彼の存在を一言で表すならば、「癒し」です!
まさに"ギャップ萌え"ですね!
馬の知能は、人間に置き換えると3歳くらいだとよく言われますよね。
頑張った事、出来たことを褒めてあげると喜ぶことも、愛せるポイントだなと感じます。
タガノキトピロ号、通算成績31戦15勝と、素晴らしい成績を持つ馬なんですね。
同じ母を持つタガノゴマチャンは競馬場で何度も見た馬ですが、その子も愛嬌のある子でした。
もしかすると“母譲りの個性”なのかもしれません!
残念ながら1月末に退厩、2月初旬には登録抹消となってしまったようで、近走成績もとても良く、まだ6歳ですから、故障や疾病の可能性がありますね。
どこかで元気に過ごしていることを祈っております…!
引退馬問題について
写真:本人提供
引退馬問題の解決には、たくさんのクリアしなければならない問題点があること。
そして実際に解決へと進めると、また多くの問題点が生まれてきて、それをクリアしていかなければならない。
同時に沢山の解決しなければならない点があると思うので、とてもスケールの大きな課題だと常々思ってます。
今は引退馬支援が出来ていませんが、私も将来何かお手伝いが出来たらとも思っております。
おっしゃる通り、引退馬の問題にはたくさんのポイントが存在し、支援を進める中で新たに生まれる問題や、解決するとなると発生する問題も多くあり、とても一筋縄ではいかないものだと感じております。
引退馬問題の解決に向けての現状分析は、Loveumagazine.『徹底考察!誰も教えてくれない、引退馬問題の今』、『Loveuma.が聞く。引退馬の現実は、そもそも"問題"?|アンケート調査 vol.1 大解剖 1/2』にて、詳しくまとめております。
ご興味のある方は、是非ご一読ください。
Loveumagazine.『徹底考察!誰も教えてくれない、引退馬問題の今』
Loveumagazine.『Loveuma.が聞く。引退馬の現実は、そもそも"問題"?|アンケート調査 vol.1 大解剖 1/2』
今回は、中津・荒尾競馬の元騎手で、現在は佐賀競馬専門紙で予想をされている、小田部雪さんの「withuma.」を伺いました!
毎週定期更新してまいりますので、次回もよろしくお願いいたします!
「withuma.」では、馬にまつわる活動や、その思いについて発信していただける方を募集しております。
リモート取材は一切なく、専用フォームからアンケートにお答えいただくと、その内容が記事になります。
今後も「withuma.」を通して、引退馬問題前進の一助となれるよう、微力ながら馬事産業・文化に携わる人を発信していきますので、是非皆さまからのご応募をお待ちしております!
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協力:小田部 雪さん 取材・文:片川 晴喜 編集:平本 淳也 著作:Creem Pan
賛否両論、というより現状反対多数を覚悟の上で、いつかウマ娘に実装してほしいと思う馬がおります。
それは、ヤマノシルエット号。
「許されぬ先例」として世間を騒然とさせた中津競馬廃止事件(2001年)で、犠牲になったすべての人馬の象徴ともいうべき存在。競馬ファンや引退馬支援者でなくとも、生き物の命の育み方と終わらせ方に真摯な関心を寄せる人にとって忘れてはならない、遅れて来た支援者の自分の中でも決して忘れたくない一頭だと思っています。
小田部さんは、一度だけヤマノシルエットに騎乗されていますね。
上記事件の激動の日々を知る競馬場関係者の方々は、今どのようなお気持ちでおられるのでしょうか?
過ぎたことは忘れたい、今さら部外者に触れてほしくないとお思いでしょうか?
このコメントを読んでくださる方の中にウマ娘のファンがおられたら、お願いしたいことがあります。
中津競馬の馬たちの悲劇的な最期は、競走馬が直面する一つの現実です。
その重みに耐えられるようになったら、耐えながら少しずつでも今の「現実」を変えていきたいと本気で思えるようになったら、ヤマノシルエットを明るいファンタジーの世界に迎え入れてあげてほしい。
未来のある可憐な少女の姿になぞらえて、もう一度、生きて叶えることができなかった夢に向かって走らせてあげてほしい。
感傷と笑われるかもしれないけれど、いま思いつく精一杯の供養のかたちです。🪷🙏🏻
地方重賞競走のレース名には趣がありますね。地域の歴史や名物が反映されていて。
「はがくれ大賞典」なんて聞くと、ああ佐賀だな、と感じます。(ばんえいの「柏林賞」は「ベルリン賞」だとばかり....😅)
「元祖アイドル」のお写真から、当時のファンの多さが推測できますね。😍😍😍🤩🥸
でもアイドルにはアイドルの厳しさがあると思います。特に、まだ前例が少ない草創期。女性騎手の茨の道を切り開くお仕事は、北海道の原生林を開拓した移民団に匹敵するご苦労があったのではないかと。
ただ、どちらも人と馬が協力して成し遂げた偉業であるのが興味深い。今も昔も、一番困難な時に微笑む強さを持った女性が最後の勝者です。✌️😊
ところで、もうすっかり有名になった「ナイスネイチャのバースデードネーション」ですが、今年は、地方重賞を勝った馬もフォスターホースに迎え入れることがテーマになっています。
サラブレッドのアフターケア(競走引退後の再就職及び余生支援)の重視は世界的な潮流なので、JRAはもちろんNARにおいても、馬とそれを世話する人たちの処遇改善に積極的に取り組んでいただきたいです。
今後はこうした福祉的な目線が社会の共感を得て、競馬の地位向上と継続的な人気に寄与することになるんじゃないでしょうか?
(大井のナイターやゲート式発馬機じゃないけれど、「改革は地方から」起こっても全然不思議ではありません。「競走馬の年金制度」が地方競馬から始まったらすごいよね。歴史に残ります)
「今は引退馬支援ができていない」とのことですが、小田部さんがご存知の馬をフォスターホースに推薦してみられるだけでも、十分「支援」につながると思います。
心当たりのあるお馬さん、いませんか? 🤗💕