新聞からテレビまで取材対応!シャトル・ドトウ・キリシマのタレント軍団に密着!
北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。
そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、
馬ときどき猫な日々を綴ります。
今年の夏は僕(メト)もいくつかの撮影現場を目撃したにゃ
タイキシャトルやメイショウドトウのような有名馬を預からせてもらっていると、取材対応も牧場の業務の1つとなる。
引退馬協会からの超ビッグな預託馬・タイキシャトルとメイショウドトウ
コロナ禍もあって取材申し込みがない時期もあったが、ここ2か月、TVなどの映像関係が3件、スポーツ紙やネットのニュースサイトなどが2件と対応に追われる日々が続いた。
また取材自体は5月に行われ、その後記事になるまで何回か記者とメールのやり取りをしたのが朝日新聞だ。デジタル版が7月30日に公開になり、8月5日には夕刊紙の一面に掲載された。一面ということで、競馬や馬に興味のない人の目に留まるだろうし、競馬や乗馬、繁殖を引退した馬たちの現状を知ってもらえる良い機会になったと思う。
朝日の記者からは、川越とキリシマノホシと私のスリーショット写真の要望があった。だがもっぱら私が写真や動画を撮影しているので、スリーショットは持ち合わせていなかった。そこでこのLoveuma.を運営するCream Pan制作のドキュメンタリー映画「今日もどこかで馬は生まれる」に2人と1頭で出演した時のワンシーンを借りた。キャプションには映画名が入ったので、この記事から映画まで辿り着いてくれる人がいるのではないかと密かに期待している。
引退馬協会とノーザンレイクの記事が朝日新聞の夕刊一面に!
テレビ取材の場合は、新聞等より来訪する人数が多い。カメラやガンマイクなどの機材もある。タレントさんがいるとお付きの人など人数はさらに増える。10月(5日が初回で何回か再放送される)にグリーンチャンネルで放送予定なのが「水曜馬スぺ!しょこたんの馬図鑑」。タイキシャトルの取材に中川翔子さんが来訪し、シャトルの特徴を捉えようと熱心にその姿を見つめていたのが印象的だった。猫のメトとも仲良くなり、メトを「北海道の友達」と言ってもらえたのも嬉しかった。(メトとの触れ合いは撮影後だったので、残念ながらメトの番組出演はない)
※「しょこたんの馬図鑑」は告知の許可あり。
この日は雨予報も降り出す前に撮影できた
見慣れぬ物体を目にすると馬は驚きやすい。(馬の世界では「物見をする」と言われる)なので、撮影機材を見てテンションが上がる馬がいるのではないかと少し心配だった。
「しょこたんの馬図鑑」では、朝放牧前から撮影があった。厩舎の中にカメラが入ったが、馬たちはさして気にしている様子はない。キリシマノホシはわりと物見をするタイプなのだが、カメラがすぐ近くに来ると自分から顔を寄せていた。
すっかりカメラ慣れしたキリシマノホシ
実はキリシマは「今日もどこかで馬は生まれる」の映画撮影時にも見慣れないカメラを前に全く動じず、お手入れや馬場の中で川越と追いかけっこをするシーンなどを堂々とこなしたという経験を持つ。
川越代表と追いかけっこをするキリシマノホシ(映画「今日もどこかで馬は生まれる」予告編より)
「今日もどこかで馬は生まれる」の撮影風景(2019年1月、茨城県)
まるで自分の役割、やるべきことがわかっているかのようであったが、キリシマに限らず馬たちには人間の気持ちを汲み取る能力があるのではないかと感じることが多々ある。そして馬たちのその能力と協力のおかげで、どの取材も滞りなく進み、無事終了した。
某スポーツ紙用の写真撮影をするタイキシャトルと川越
(つづく)
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協力:ノーザンレイク・認定NPO法人 引退馬協会
文:佐々木 祥恵
編集:平林 健一
著作:Creem Pan
“ 大雨の中の無敵 ”
“ 世界を制覇した夏 ”
“ 栄光へ、まっしぐら ”(SHUTTLE SPEEDS HOME FOR GLORY, Monday 17 August 1998, Daily Mirror, London)
「ジャックルマロワ賞は70年の伝統(1998年当時)があるレースだ。フランスの調教師はもちろん、イギリス、アイルランド、ドイツ、イタリア、欧州の調教師は皆、勝ちたいと思っている。彼らにしてみれば、日本の馬が勝つなんてことはあってはならないレースである」(藤澤和雄元調教師の言葉)
「皆が苦しくなったときにわずかでも前へ出てその距離を保ち、しかもどの馬にも抜かせない強さ。手前味噌になるけれど、シャトルは本当に強いレースをして勝った」(同)
“ 涙を馬のたてがみに 心は遠い草原に ”
天国の門へ凱旋するタイキシャトル号。国葬ならこっちだろう、と思ってしまう。。。
たった今、シャトルの訃報を知りました。
昨日、Twitterでいつもどおり美味しそうに草を頬張っている姿を見て、こちらにコメントを書かせていただいたばかりだったのに…まだ現実とは思えません。受け入れるまでにしばらく時間がかかりそうです。
ただ、本当に満ち足りた幸せな余生だったことは間違いありません。
川越さん佐々木さんと出会い、仲間に恵まれ、緑あふれる穏やかな終の住処で輝くように美しい姿のまま逝きました。
ノーザンレイクの皆様、ありがとうございました。淋しくなりますが、どうかお力を落とされませんように。
シャトルは天の牧場から感謝とともに皆様を見守り続けると思います。
『今日もどこかで馬は生まれる』の中で一番好きなのは、キリシマノホシと川越さんが追っかけっこをして遊ぶシーンです。それを佐々木さんが見守って、休憩に来たキリちゃんの耳のあたりをくしゃっと撫でてあげるところなんか、もう家族の日曜団欒としか思えない。
キリちゃんの頭の良さ(と女優魂💖)がわかる場面でもあります。馬は本来、好奇心旺盛で遊び好きな動物。キリちゃんも犬やイルカと同じぐらい「遊んでもらっている」ことを理解して楽しんでいますね。何度観ても飽きません。お馬はみんなみんな、こんなふうに人を好きになってほしい、そして人は馬たちが寄せてくれた信頼に応えられる存在でありたい、と何度でも思います。
美魔女ぞろいのノーザンレイクに、踏んでいる、いや立っているだけで絵になるシャトルや、牝馬のようにしっとりと黒目がちな優しい瞳のドトウ ー 三白眼の牝馬もいることには敢えて触れない ー が加わり、守護神メトさんにお転婆な魔女っ子みたいなチビちゃんもいるとあって、本当にタレント事務所のような様相を呈してきましたが、皆様、どうかお体に気をつけて、一家の生活リズムを守りながらご活躍ください。
【アンケート:あなたにとって「活躍」とは?】
「ハリウッド映画に出ること」
「無口なしで走ること」
「放牧をなるべく短時間で切り上げて馬房でくつろぐこと」
「自分の居場所を見つけてそこの草を食べ尽くすこと」
「メト騎手でソフト競馬に出ること」
「とにかく踏むこと」
(協力:ノーザンレイク繋養馬の皆さん)