川越代表の軌跡を辿る❗️ ハイセイコーとの思い出やノーザンレイク誕生のお話も 👀✨
北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。
そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、
馬ときどき猫な日々を綴ります。
読者リクエストの2回目。今回はノーザンレイク代表の川越靖幸について。ウマ娘にハイセイコーが登場したということもあり、ハイセイコー絡みのエピソードも少し交える。
川越は1965年2月3日に新冠町に生まれ、新冠町の万世(ばんせい)、明和地区で過ごす。明和で暮らした家は、ハイセイコーが種牡馬として繋養されていた当時の明和牧場の真ん前だった。今はその家の跡地はビッグレッドファーム明和内になっている。万世、明和時代ともに競走馬の生産牧場が近隣にあったにも関わらず馬には全く興味がなく、時間があれば川で釣りに興じていた。小学校時代は教室でピンクレディーの真似をして歌って踊るなど明るく元気な子供だった。


明和に引っ越してみると、国民的ヒーロー・ハイセイコー目当ての観光客が押し寄せ、観光バスが何台も停まっていた。駐車場が足りなくて、観光客に頼まれて川越の家の敷地内にも車が停められていた。たくさんの人で賑わい、お祭りみたいで楽しかったと川越は振り返る。売店もあり、ハイセイコーの毛を使用したグッズが飛ぶように売れていたという。
体が小さい川越は、競馬好きだった父親にすすめられてジョッキーになるべく試験を受けるも不合格。中学卒業後は再度の騎手試験に備えて明和牧場に就職した。馬に興味がなかったはずが、いつの間にか馬の道へと足を踏み入れていた。配属になったのは離乳した当歳馬の厩舎だった。そこの厩舎長の馬の手入れの技が素晴らしく、川越のグルーミングの基礎はそこで培われた。馬乗りを覚えて、育成馬にも騎乗していた。
騎手を目指していた川越だが、骨太で体重管理が苦労しそうなことや、JRA競馬学校が創設されて騎手になるためのシステムの変更などが重なり、厩務員に目標を切り替えた。のちにJRA競馬学校の厩務員課程で学び、美浦トレーニングセンターで厩務員となった。ちなみに競馬学校時代の同期には、平田修調教師や瀬戸口厩舎時代のメイショウサムソンの担当厩務員がいる。
厩務員時代に勤務したのは久保田敏夫、中村貢、藤沢和雄、二本柳俊一の各厩舎だ。川越が大好きだった男気溢れる中村貢調教師が急逝し、藤沢和雄厩舎へと移動になった。藤沢厩舎時代の話はまた改めるつもりなので今回は詳しくは書かないが、ここでゼンノロブロイやゼンノエルシドなどの名馬と出会った。
今は亡きゼンノエルシドと(2020年6月末)
川越なりに思うところがあり、藤沢厩舎を放れて最後に勤めたのは二本柳厩舎だった。ここでお姉ちゃんことキリシマノホシを担当する。そのお姉ちゃんを競走馬引退後に引き取り、お姉ちゃんのために北海道で牧場を開いた今の状況を考えると、これは運命的な出会いだったと思わずにはいられない。

元気で明るいのは恐らく小学校時代とそんなには変わってはいないはずだ。だが喋るのはあまり得意な方ではない。(ただしアルコールが入ると饒舌になる)黙々と仕事をするタイプで、話しかけられるのを好まない。馬房掃除は手早くフカフカで綺麗に仕上がっている。手前味噌になるがグルーミング技術が素晴らしく、馬も美しく曳く。川越が厩務員を辞めると聞いた時に1番残念だったのが、パドックで颯爽と美しく馬と歩く姿が見られなくなることだった。

レースに向けて馬の状態や馬体のシルエットを見て飼い葉を調整しながら仕上げていく厩務員の仕事が面白く好きだったと川越は言うが、現在は担当馬2頭に集中できた厩務員時代と違い、馬の世話以外に広い敷地の管理もある。重機もノーザンレイクで初めて扱った。競走を引退したり高齢の馬となると、現役の競走馬とは違うことが多く戸惑いもあったようだ。ただ馬の世話の基本はしっかりしているので、試行錯誤しつつもそれぞれの馬に合わせて柔軟に対応している。特に昨年開腹手術をしたメイショウドトウ(認定NPO 法人引退馬協会預託馬)については、引退馬協会や獣医師、飼料会社と相談をしながら飼い葉の内容などを選定したり、放牧時間や馬着の厚さや有無に気を遣い、それこそ試行錯誤しながらケアをし、術後1年が過ぎた。
馬の仕事に関しては職人気質で厳しい面も持ち合わせているが、3匹の猫には大甘でデレデレだ。なので猫を叱るのはどうしても私の役割になりがちで、猫たちも私より川越にベタベタしている。それで川越が癒されているのならいいかと思いながらも、複雑な気持ちになるのが正直なところだ。

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【🐎ネコパンチ&牧場猫🐈】
日経賞を沸かせた名馬の猫尽くしアイテムを販売中!
ご好評をいただいているLoveuma.オンラインショップに新しいデザインが追加されました!
新デザインは全2パターン、59アイテムを追加しています。
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今回のデザインはLoveuma.の人気連載『ノーザンレイクダイアリー』でもお馴染みの、ネコパンチと牧場猫たちをあしらったデザインです。ネコパンチの名前をビジュアルに活かしたデザイン、3匹と1頭(?)のネコたちをポップなビジュアルに落とし込んだデザインを制作いたしました。
このオンラインショップは、GMOペパボ株式会社が手がける、オリジナルグッズを手軽に作成・販売できる『SUZURI』を利用しています。
梱包・配送・原価設定は全てSUZURIが行っており、全商品共通で1アイテムの購入につき1,500円の収益が発生いたします。Loveuma.は、その収益の100%を、引退馬支援に活用させていただきます。(詳細は各アイテムの概要欄をご確認ください)
より多くの方が気軽に参加できる、グッズの購買による『引退馬支援』というカタチをLoveuma.にて展開していきます。デザインはこれからも追加されていくので、お楽しみに!
協力:ノーザンレイク
認定NPO法人 引退馬協会
文:佐々木 祥恵
編集:椎葉 権成・近藤 将太
著作:Creem Pan
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