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「殺処分」という誤った表現が牧場に与える悪影響...🐴🤔ノーザンレイククラブ(仮)の正式名称を公募中‼✅


 

北海道新冠町にある、引退馬の牧場ノーザンレイク。

そこで毎日を過ごしているライター・佐々木祥恵が、

馬ときどき猫な日々を綴ります。

 


引退馬関連の報道で「殺処分」という表現が使用されているのを目にする。そのたびにX上ではこの表現について、批判や意見のポストが散見される。日本のサラブレッドの生産頭数を見てもわかるように競走馬、繁殖、乗馬などそれぞれの役割を終えた後のすべての馬が生きられるわけではなく、多くの馬たちが、と畜(あるいは、と殺)の道を辿っている。この事実を報じる際に殺処分というワードが多用されているのだ。だが「殺処分」は、殺処分対象となる伝染病に罹患した場合に用いられるものなので、と畜(と殺)記すのが正しいと言えよう。(注:予後不良とされる怪我や病気での安楽死のケースもある)

 ノーザンレイクはGIホースのタイキシャトル(2022年8月17日没)と、メイショウドトウが認定NPO法人引退馬協会から預託されて以来、メディアからの取材が増えた。牧場猫のメトがドトウの背中に乗った動画が話題となってからは、さらにメディアで取り上げられる機会が多くなった。


在りし日のタイキシャトル


メトがドトウに初騎乗


取材を受けるたびに殺処分という表現は使わないでほしいと必ず先方には伝えている。ただ伝えても使用されるケースもあるようで、そうなった場合取材を受けた馬関連施設自体が「と畜」でなく「殺処分」という認識で馬に関わっている人たちなのだと批判の対象になりかねない。


と畜予定だったキリシマノホシ

愛情を注ぎ信頼関係を築く


私自身、ライターとして仕事をしてきた経験上、メディア側の求めるものや事情、やり方など何となく推測がつくので、メト中心の"ほのぼの"取材以外は、前述したように「殺処分」を使わないでほしい旨をその理由とともに伝えている。だが「殺処分」という言葉にはインパクトがあるので、メディア側はそれでも使用する可能性は否めない。そこで「殺処分」という表現をされると、取材された側が批判や誤解の対象になるということをX上の事例を交えて説明することにしている。メディア側も自分たちの報道によって取材先が批判や誤解をされるのは望まないはずだと思って伝えているのだが、それが功を奏しているのだろうか。これまでノーザンレイクが取り上げられたメディアには、「殺処分」というワードは記載されていない。こちらの考えや気持ちを理解してもらうのも重要だが、自らの身を守ることが大切だ。ネットや活字の影響力は想像以上に大きいし、広まってほしくないことほど拡散されていくものだ。「殺処分」のように使ってほしくないワードなどがある場合には、それを使われた時にこちら側(取材を受け側)にどんな悪影響があるかを取材者側に説明して、こちらの考え方と異なる記事や映像にならないよう今後も気をつけていきたい。


キリシマを引き取って7年

女子チームとの放牧にすっかり馴染んだ


今回は、「殺処分」という文字が文中にたくさん出てきて殺伐とした内容になってしまって申し訳ない。そのかわりというわけではないが、最後に告知を1つ。「ノーザンレイククラブ(仮)」の正式名称を皆様から募集する。ある方のXの投稿に、ノーザンレイククラブをノーザンレイクラブ(Northern Lake LOVE)と見間違ったとあったのだが、響きが気に入ったのでこれも候補の1つとした。ご応募いただいた名称ではなく「やはりノーザンレイククラブにしました」ということもあるかもしれないので、その時はご了承ください。


ご応募は、この記事のコメント欄やノーザンレイククラブ(仮)のXなどのリプ欄にお願いいたします‼

締切は8月4日(日)。たくさんのご応募お待ちしております。


たくさんのご応募お待ちしております


軽トラに乗ってパトロールにGO!


本日の撮れたてドットさん

 

【🐎ネコパンチ&牧場猫🐈】

日経賞を沸かせた名馬の猫尽くしアイテムを販売中!


ご好評をいただいているLoveuma.オンラインショップに新しいデザインが追加されました!


新デザインは全2パターン、59アイテムを追加しています。



今回のデザインはLoveuma.の人気連載『ノーザンレイクダイアリー』でもお馴染みの、ネコパンチと牧場猫たちをあしらったデザインです。ネコパンチの名前をビジュアルに活かしたデザイン、3匹と1頭(?)のネコたちをポップなビジュアルに落とし込んだデザインを制作いたしました。




このオンラインショップは、GMOペパボ株式会社が手がける、オリジナルグッズを手軽に作成・販売できる『SUZURI』を利用しています。


梱包・配送・原価設定は全てSUZURIが行っており、全商品共通で1アイテムの購入につき1,500円の収益が発生いたします。Loveuma.は、その収益の100%を、引退馬支援に活用させていただきます。(詳細は各アイテムの概要欄をご確認ください)




より多くの方が気軽に参加できる、グッズの購買による『引退馬支援』というカタチをLoveuma.にて展開していきます。デザインはこれからも追加されていくので、お楽しみに!



 


協力:ノーザンレイク

文:佐々木 祥恵

編集:片川 晴喜

著作:Creem Pan


5 Comments


毅 納庄
毅 納庄
Aug 03

Northern Lake Loveもいい名称候補ですね。Loveというのが引退馬を想う気持ちが込められている感じがしてとてもいい!!


私は、


「ホープフルクラブ(Hopeful Club)」

「ホープフルレイク(Hopeful Lake)」

「ホープフルレイククラブ(Hopeful Lake Club)」


といった名称を考えてみました。引退後も希望に満ちて過ごせる、そんな意味を込めてつけてみました。競走馬には「ホープフルステークス」があるのだから、引退場にもホープフルに過ごせる場所があってもいいはずと元々思っていたのです。世の中、そんな甘くないことは分かってはいるのですけれども、、、、。


またご検討下さい~。

この暑さですので、ノーザンレイクの皆様、もちろん、ドットさんにメトさんも、どうかお身体にはお気を付けてお過ごし下さい。


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キリちゃんがまさおを手伝って草刈りをしておられる。(おいしい?)🌱🌱🌱

メトさんは相変わらずトラック野郎だね。🛻🎵

クラブ名は Northern Lake LOVE に一票☝️😊

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>意味わかるよな


一般の人には、用語の定義がわかっているようでわかってない場合がけっこう多いと思います。

私も時々あやふやになるので、この機会にちょっとおさらいしてみます。


(1)殺処分

ウイルス感染、細菌感染等による病気で他の動物や人間に伝染して害を及ぼす危険があるとき、罹患した個体及び罹患のおそれがある個体をやむなく殺して処分すること


(2)屠殺/屠畜

食肉などに利用する目的で家畜を屠る(殺す)こと

厳密には「屠殺」はプロセス(行為と手順)を指し、「屠畜」は屠殺された動物を指すが、「殺」という文字を避けて両方とも「屠畜」と呼ぶ例が増えている


(3)安楽死

治癒の見込みがない、または仮に助かっても苦痛とストレスが無駄に増えるだけの怪我・病気など、動物のQOL(生活の質)を著しく低下させる状態での延命は福祉の理念に反するという観点から、定められた方法と倫理規定に基づいて行う薬殺

通常は獣医師が患畜の状態を判断し、所有者/飼養管理者に相談して同意を得た上で行う

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秀規 上治
秀規 上治
Aug 01

事実やし。経済動物やし。意味わかるよな。だったら、豚、鳥、牛、ジビエを食うなよ!

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こんにちは。ちょっと返信させてくださいね。


競走馬は品種改良を前提に人為的に飼養・繁殖される家畜で、その点は牛・豚・鶏と変わりません。

そして「品種改良が前提」ということは「淘汰、選別」が宿命であるということ。ある基準・規格に適合しない個体は生き残ることができません。サラブレッドの規格は「速さ」で決まります。


しかし、馬という動物には早く走らせること以外にも驚くほど様々な魅力と利用価値がある。

その多くは生きていてこそ発揮できるものですが、もし馬が屠殺されたとしても無駄になる部位はほとんどありません。

高タンパク低脂肪の良質肉として、美しい皮革製品として、おいしい野菜や果物を育てる肥料として、姿は変われど永遠に地球と人類に貢献してくれるのです。


>だったら、豚、鳥、牛、ジビエを食うなよ!


気持ちはわかる。でも、私は食います。

食べられるために死んでくれたのならその犠牲を無駄にしてはいけない。

ある生物が別の生物に食べられることで命がつながり、強く健やかな個体と種の保存が可能になり、生きとし生けるものすべての存在を支えるエコシステムが完成するのだと思うから。


もう一度言うよ。サラブレッドの規格は速さで決まる。

でも、経年やアクシデントで規格外になったものを「無駄に捨てない」というのが近年のトレンドです。

引退馬支援者は、レースを引退したお馬たちが屠殺場に直行することを究極の無駄と考えます。

そして、彼らにはできるだけ長く元気に生きてもらって、その間にありったけのカワイさ、けなげさ、アザトさを生産・供給させて人間の心と体を癒す妙薬にしたいと考える、抜け目ないSDGsプランナーなのです。☺️🫶

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