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ナカヤマフェスタ|'10 宝塚記念を制した、世界を驚かせた名馬は、愛嬌たっぷりの変顔看板ホースに! vol.28



 

かつて観衆を沸かせた名馬の"今"を紹介!

走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。

全国で暮らす、名馬の個性と"今"を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!


今回のコレクションは、2010年の宝塚記念(G1)などを制した、ナカヤマフェスタ!

 

現在は、北海道浦河郡にある、うらかわ優駿ビレッジAERUで暮らしているとのこと。

そのお世話をしている太田さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!

 


太田 篤志さん

(うらかわ優駿ビレッジAERU 乗馬課マネージャー)


ウマ歴:20年くらい

出身地:北海道・札幌市

趣味:ナイショ

休日の過ごし方:ナイショ




ナカヤマフェスタ

ニックネーム|フェッスー

生年月日|2006年4月5日

生産者|新井牧場

馬主|和泉信子→和泉信一

戦績|15戦5勝(2着3回,3着0回)

獲得賞金|2億9,324万円(中央)

主な勝鞍|2008年 東スポ杯2歳S(G3)、2009年 セントライト記念(G2)、2010年 宝塚記念(G1)

父|ステイゴールド

母|ディアウィンク

母父|タイトスポット

ここにきた日|2023年9月25日

 

ナカヤマフェスタは、2008年11月の2歳新馬でデビュー勝ちを収め、中2週で東スポ杯2歳S(G3)に出走。

下馬評では9番人気と決して高い支持率ではなかったものの、好位追走から直線で半ばで抜け出すと、外から競り掛けようとする2着ブレイクランアウトをクビ差凌いで2連勝で初重賞制覇を飾りました。

 

次走の京成杯(G3)では、4コーナーでナカヤマフェスタの内にいたサンライズキールが落馬競走中止するアクシデントがありながらも、直線はじわじわと伸びてクビ差の2着まで差し届く地力を披露。

以降、皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)とクラシック競走に参戦し、ダービーでは4着に健闘したナカヤマフェスタの秋始動戦となったのはセントライト記念(G2)。

3連勝で同レースに挑んだアドマイヤメジャーが1番人気に推される中、ナカヤマフェスタは2番人気での出走となりますが、レースでは勝負所で外目から進出すると、直線では内から伸びた2頭との追い比べを制し、見事重賞2勝目を挙げました。

 

その後、菊花賞(G1)にも出走し、結果こそ負けてしまったものの、クラシック競走を皆勤したナカヤマフェスタは、翌2010年初戦となるメトロポリタンS(OP)を勝利で飾り、6月には宝塚記念(G1)に出走。

8番人気と決して高くない前評判のナカヤマフェスタでしたが、好スタートから中団を追走すると、直線では内の2着ブエナビスタ、3着アーネストリー交わして抜け出し、先頭でゴールイン。

自身3度目の重賞制覇にして、初のG1タイトルを手にしました。

 

また、同年秋はフランスへ遠征し、フォワ賞(G2)で2着となり、続く凱旋門賞(G1)でも1着馬ワークフォースにアタマ差の2着となるなど、国内外でその名を馳せる名馬となったナカヤマフェスタですが、翌2011年の凱旋門賞(G1)挑戦を最後に引退が決定。

引退後の2012年より、日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションにおいて種牡馬として繋養され、2019年からは新ひだか町のアロースタッドで種牡馬生活をしていましたが、同スタリオンがナカヤマフェスタの引退後の余生を過ごす場所を探していた際、過去にウイニングチケットやスズカフェニックスがアロースタッドからAERUさんにやってきた経緯もあったことから、AERUさんで受け入れてもらえないかとご相談を受けたとのこと。

AERUさんでは、2023年2月にウイニングチケットが亡くなったこともあり、ナカヤマフェスタの様な名馬、しかもウイニングチケットと同じ「ウマ娘」のキャラクターになっている事にも運命めいたものを感じたそうで、受け入れる事となったようです。

 


 

オール☆3は、『引退馬コレクション』初登場です!

この記事と同じく『Loveuma.』に掲載中の「AERUで会える!『《AERUファンミ》の様子をお届け‼&ヘドバンスズカと真似するオウケン』(2024年1月25日公開)」にて、アザトイ☆5、イケイケ☆4で過去に登場したスズカフェニックスがハイテンションで"ヘドバン"している様子を、ナカヤマフェスタが冷ややかな目で見ている映像を紹介しました。

その辺りが、個性の差が良く表れているなと感じますね。

『引退馬コレクション』スズカフェニックス編も是非ご一読ください!

 

 

担当している太田さんに、ナカヤマフェスタの"印象的なエピソード"を聞いてみました!

 

「受け入れを決めたところまでは良かったものの、父ステイゴールド・競走馬時代のエピソードなどを聞くと、かなりクセのあるヤンチャな馬なのかなと想像でき、あまりヤンチャな馬だと来場者の見学にも更に制限を加えないといけないかな…と思い、確認のために何度かアロースタッド様へ見学に伺ったのですが、大人しくて非常に扱いやすそうでイメージとは全然違う馬でした。

 

AERUに来てからも大人しく、いい意味で裏切られました。今やAERUの功労馬で1番扱いやすいかもしれません(笑)」

 

ステイゴールドや、その産駒たちを見ていると、確かに癖のある馬のイメージがあります。

太田さんは前職で競走馬の生産・中期育成にも携わられていたそうですが、若馬を見てきたホースマンの予見も、いい意味で裏切ったのがナカヤマフェスタであったのですね。

一般のお客様も見に来られるAERUさんでは、扱いやすい馬という部分も、そこで暮らす功労馬として大きなアドバンテージになる要素だと感じます。

 


 

小柄な馬体のナカヤマフェスタ




フェッスーの変顔コレクション


まだまだあるようなので、AERUさんのSNSは要チェックです!



マイネルキッツとナカヤマフェスタを一緒の放牧地にした初日の様子


2頭のご飯時の距離感


スキスキにも入っていたマイネルキッツですが、

イヤイヤの理由は、ご飯の時に追い払うからだそうです(笑)

 

放牧地で草をあげる時はキッツを追い払います(笑)

 

マイネルキッツと同じ放牧地にいるのですが一緒にした当初はフェスタがキッツに寄っていって仲良くなろうとしてました👬

 


2023年からAERUにきたナカヤマフェスタ。

チケットと同じアロースタッドからAERUにきて、ウマ娘キャラクターにもなっている2頭。

チケット亡き後AERUの看板ホースとして、これからも愛嬌たっぷりで多くのファンを楽しませてほしいです。

元気に過ごしている姿を見に、現地まで足を運んでいただけたらと思います🛩️🚗

 

太田さん、ナカヤマフェスタのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!

ちなみに、ナカヤマフェスタの見学は予約不要で受け付けておられるそうです!

※団体の場合は事前のお問い合わせが必要になります。

※馬の体調や天気によって見学できない事がございます。

 

そしてうらかわ優駿ビレッジAERUさんのSNSからも、その姿をチェックできるので、ぜひフォローしてみてください♫

 

X(旧:Twitter)|@aeru_joba

Instagram|aeru_urakawa

 

 

協力:うらかわ優駿ビレッジAERU

取材・文:片川 晴喜

デザイン・編集:椎葉 権成

制作:Creem Pan

著作:Creem Pan・GJ

 

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3 Comments


《ロンシャンに咲くスミレの花》。


フェスタよ、これ誰のことかわかりますか?

知らんがな顔をしてないで、よぉくお聞きなさい。

スミレというのはね、元オーナーの泉信一さんが、あなたの生き様をたとえた花なんだよ。


初めは泉さんの娘さん、信子さんのお馬だったね。若くして亡くなった後にお父さんが馬主を引き継がれた。そして2010年、フェスタは宝塚記念優勝で泉さんに初G1をプレゼントして、勢いそのまま秋にはフランスへ。凱旋門賞へ。

二ノ宮敬宇調教師率いる遠征隊は、宝塚歌劇とフランスが大好きだった信子さんを偲んで〈チームすみれの花〉と名づけられた。


10月1日から3日にかけて、泉さんが凱旋門賞の事前インタビューに答えておられる。今も中山馬主協会のオンライン・アーカイブで読むことができます。

「謙虚」や「誠実」というスミレの花言葉がナカヤマフェスタの生き方に似合う、とインタビュアーに言われて、泉さんは「いま思うと本当にそうですね」と頷いた。もうあちこちで引用され尽くしているけど、知らない人のために改めて再現しておきましょう。


「そこら辺に咲いていて、派手さもないし、そんなに高く評価されるわけでもない。フェスタは1000万円の安馬でしたからね。誰も注目なんかしませんよ。だから謙虚、だから誠実に生きるしかない。だけれども、自分の能力だけはきっちり走ってくる。そういう馬なんだね。

 スミレの花はコンクリートの隙間を破って生えてくる。そういう生命力の強さというか、したたかさも秘めていますね。そういうのも全部ひっくるめてフェスタはスミレの花なんだなぁって思いますよ」

(〈ホースマン・サロン〉2010年10月2日)


そしていよいよ、凱旋門賞当日。ゲートが開く前に泉さんはスタッフへの全幅の信頼を語る。

さらにまた、矜持あるオーナーとして持ち馬にかける願いのことも。


「二ノ宮の勧めでフェスタを買い、彼の強い意志でG1をまだ勝っていないころに凱旋門賞にこの馬を登録した。これはもう最後まで二ノ宮を信じるしかないでしょう。“チームすみれの花”を信じて、全部まかせていますよ。


 サラブレッド・オーナーの定義はいろいろあると思うけれど、単純に言ってしまえば、フェアな条件下で正々堂々と賞金を取り合うことでしょう。

 海外は4着までしか賞金が出ないと聞いたので、なんとかそこまでは頑張ってほしい。3着だったら大成功でしょう。相手もあることだし、ワールドクラスの強豪ばかりだから大きなことも言えませんが、参加するだけじゃわざわざ行く値打ちはないでしょう。


 宝塚好きだった娘の馬が、宝塚記念に勝って、フランスびいきだった娘の憧れだったロンシャンにやってこられた。それだけで十分すぎるんですが、これと勝負は別物ですから、ぜひ賞金を持って帰りたいと思っています」

(〈ホースマン・サロン〉2010年10月3日)


スミレのごとく誠実に、きっちり走って信子さんの夢と信一さんの願いを叶えた馬は、今ではAERUに咲く功労馬の花形です。でもやっぱり、相変わらず地味に謙虚に、マイペースでコツコツと毎日を生きています。

ロンシャンで人々を熱狂の渦に巻き込んだ炎のようなエネルギーは🔥どこに隠しているんだろう? 変顔で小出しに発散しているのかな? 😜🤪😵‍💫

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ぜひぜひ❣️😊👍

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