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'08 日本ダービー優勝馬は、種牡馬引退後も人懐っこさ全開で見学客を"見学"しに行くことも!?|ディープスカイ vol.20



 

かつて観衆を沸かせた名馬の"今"を紹介!

走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。

全国で暮らす、名馬の個性と"今"を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!


今回のコレクションは、2008年の日本ダービー(G1)などを制した、ディープスカイ!


現在は、北海道沙流郡日高町にある、ひだか・ホース・フレンズで暮らしているとのこと。

そのお世話をしている村上さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!

 



村上 善己さん

(ひだか・ホース・フレンズ 場長)


ウマ歴:44年

出身地:北海道沙流郡平取町

趣味:カラオケ

休日の過ごし方:食べ歩き




ディープスカイ

ニックネーム|ディー

生年月日|2005年4月24日

生産者|笠松牧場

馬主|深見敏男

戦績|17戦5勝(2着7回,3着3回)

獲得賞金|6億4,213万円(中央)

主な勝鞍|2008年 NHKマイルC(G1)、2008年 日本ダービー(G1)、2008年 神戸新聞杯(G2)、2008年 毎日杯(G3)

父|アグネスタキオン

母|アビ

母父|Chief's Crown

ここにきた日|2021年9月28日

 

ディープスカイは、2007年10月の2歳新馬でデビューするものの、年内は2着に3度敗れるなど惜敗が続き、初勝利を挙げたのはデビューから6戦目の3歳未勝利でした。

初の重賞挑戦となった2008年のアーリントンC(G3)では後方から脚を使い、10番人気という低評価を覆す3着に好走すると、中3週で挑んだ次走の毎日杯(G3)は、課題とされていたゲートも無事にクリアし、直線では持ち前の決め手を活かして突き抜け、見事重賞初勝利を挙げました。

次走の候補としては皐月賞(G1)に出走する選択肢もありましたが、調教師の判断でNHKマイルC(G1)へ挑むこととなり、1番人気で迎えたレース本番では馬群の内から伸び、2着ブラックシェルとの追い比べを1.3/4馬身差で制して、G1初勝利を挙げました。

その後、日本ダービー(G1)にも出走を決め、"変則二冠"に期待したファンからは1番人気に推されると、レース最後の直線では大外から怒涛の追い込みを見せ、内で粘り込みを図るスマイルジャックを交わして1着でゴール。

キングカメハメハ以来史上2頭目となる変則二冠を達成しました。


その後は休養を挟み、次走は神戸新聞杯(G2)に出走。

条件戦を3連勝して挑んできたオウケンブルースリや、NHKマイルC(G1)で熱戦を繰り広げたライバルのブラックシェルを再び退け、ダービー馬の威厳を守って優勝を果たしました。

同世代では向かうところ敵なしとなったディープスカイですが、秋は古馬との戦いを選び、天皇賞・秋(G1)、ジャパンC(G1)に出走するも、前者では4歳世代のウオッカ、ダイワスカーレットに0.0秒差の僅差に敗れて3着。

後者ではウオッカ、マツリダゴッホ、オウケンブルースリ、メイショウサムソンなど早々たる顔ぶれを退けるも、前で運んだスクリーンヒーローを捉えきれず2着に敗れました。


翌2009年は4月の産経大阪杯(G2)(現在G1競走となっている大阪杯の前身)で始動するも、いわゆる“ウオッカ世代”で凌ぎを削っていたドリームジャーニーにクビ差競り負けての2着となり、次走の安田記念(G1)では早目先頭に立つも、馬群の間から伸びてきたウオッカにゴール前で交わされ、こちらも2着に敗れ、更に続く宝塚記念(G1)ライバルのドリームジャーニーと、重賞戦線で安定した活躍を見せていたサクラメガワンダーに続く3着となりました。


陣営、ファンともに、ディープスカイの古馬G1制覇を待ち望んでいましたが、秋へ向けて調整していた函館競馬場にて左前脚浅屈腱炎を発症し、惜しまれつつも引退が決定。

父アグネスタキオンの後継種牡馬として期待され、ダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックスとイーストスタッドで種牡馬をしていましたが、2021年に種牡馬引退となりました。

引退後は、認定NPO法人引退馬協会様のフォスターホース(「ナイスネイチャ・33歳のバースデードネーション」対象馬)として、ここにやって来たディープスカイ。

ひだか・ホース・フレンズさんで最初に入厩した引退馬だそうです。

 


 

かしこさ、人懐っこさ、食欲、積極性が☆5の馬は、引退馬コレクションでも初めて取り上げます!

競走馬時代の成績もさることながら、どこにいても分かるほどの大流星が特徴的で、性格を見ていても、人々に愛されること間違いなしの馬だと感じました。


担当している村上さんに、ディープスカイの"印象的なエピソード"を聞いてみました!


「たくさんの馬と接してきましたが、功労馬を扱うのは初めてだったこと。

そして去勢手術を行ってから間が無かったこともあり、入厩当初はディープスカイの体調管理に苦労しました。」


村上さんは、長きにわたり競走馬育成に携わってきた大ベテランでいらっしゃいますが、ひだか・ホース・フレンズの場長となられて、一昨年にディープスカイがやってきたこと初めて功労馬を扱うことになったのですね。

同じ馬の管理でも属性によって扱い方が全く違うところが大変面白く感じます!

 


 


人参が貰えることがわかり、小さな声で甘えた声を出すディープスカイ。

アザトイ☆5にも納得です!



名前を呼ぶと反応し、すぐに近寄って来るそうです。

可愛らしい性格で、人懐っこさ☆5にも納得です!


見学者を"見学"するディープスカイ



見学の方が来るとそばに行って観察するそうです。

他の馬の撮影をしていると遠くから見ており、人の動きが気になるようです。



メイショウボーラーを、じっと見ているディープスカイ。

ボーラーとは柵の近くで見つめ合っていることもあるそうです。


こちらを見つめるディープスカイ。帰りたいのかな?

 


基本的に人懐っこい性格で、表現力が豊かです。

みなさまに会いに来ていただけるとディープスカイもとても喜ぶと思います。

ぜひ、見学にお越しください!

 

村上さん、ディープスカイのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!

なお、見学には予約が必要となっています。

※ひだか・ホース・フレンズ公式サイト上に申し込みフォームがあります。


見学の詳細について、一般見学の方は「競走馬のふるさと案内所」をご参照ください。


引退馬協会会員様は、会員専用ページをご参照ください。


そして、ひだか・ホース・フレンズさんのSNSと、引退馬協会のYouTubeチャンネルからディープスカイの姿をチェックできるので、ぜひフォローしてみてください♫


X(旧:Twitter)|@UmaTomo_Hidaka

Instagram|umatomo.hidaka

Facebook|UmaTomo.Hidaka

 

 

協力:認定NPO法人 引退馬協会

   ひだか・ホース・フレンズ

取材・文:片川 晴喜

デザイン・編集:椎葉 権成

制作:Creem Pan

著作:Creem Pan・GJ

 

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1 Comment


HisMajesty Graustark
HisMajesty Graustark
Dec 07, 2023

未勝利戦を勝ってからの快進撃が素晴らしい!

調教師時代の角居先生が、1600と2400の調教内容はまるで違ってくる、とおっしゃっていたような。だから、マイルからクラシックディスタンスまで自在にこなしてみせた変則2冠は本当に貴重だと思います。2008年の最優秀3歳牡馬ですよね。✨🐴✨💐


>見学者を“見学”するディープスカイ


ミイラ取りがミイラになり、見学者が見学される。。。実人生ではよくあることかもしれません。(サファリパークの金網張りジャングルバスの中で痛感できます)🚌💦 🐆🐅🐘


ひだかうまキッズ探検隊がホース・フレンズを訪問したときも、ディープスカイは確かに喜んで子どもたちを「見学」していた。「わ~、小さいのいっぱい来ター🎵」という感じで、これから金魚すくいをする小学生のように目を輝かせていましたね。

一頭一頭の馬にそれぞれの必要と欲求があり、その気持ちを察してあげるために「心の中に思いやりのスペースを持っておく」と場長さんがおっしゃっていたのが印象的でした。


現役の競走馬は命がけで走ってくれます。華やかな戦歴の陰には満身創痍の体があるかもしれません。

功労馬の健康管理には馬一倍気を遣う部分があるでしょうが、ひだか・ホース・フレンズに余生を託すことになったお馬たちはとても幸運だと思います。

村上場長さん始めスタッフの皆様、これからも彼らが心穏やかに暮らせますよう、どうぞよろしくお願いいたします。😌🙏🏻

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