牧場見学ルールについて、どうしても伝えたい事があります。
北海道浦河町にある、馬をコンセプトにした観光ホテル
《うらかわ優駿ビレッジAERU (アエル)》。
その魅力を日々発信し続けているスタッフ・太田篤志が、
現場でしか味わえない、大自然と馬との触れ合いをお届けします。
みなさんこんにちは🐴
乗馬課 太田です👨🌾
今週は連載の週ではないですが、どうしても伝えたい事があるので書かせていただきたい、そして伝えたいと思いLoveuma.さんにお願いして記事を書く事にしました。
今年新設した見学ルールについての看板🪧
10月12〜14日の3連休中の出来事や近隣の見学ができる牧場さんの話を聞いたりSNSなどを見ていると個人的な意見も含めて思うところがありまして…。
まず、この3〜4年位でSNSやウマ娘などの影響もあり日高に足を運ぶ人がずいぶん増えました。
私がAERUに勤め始めたのは2013年の10月からなのですが、その頃の10月はお世辞抜きで本当に誰も来ない日が結構ありました。その頃と比べると来客数は雲泥の差です。
ブームやSNSの影響で来客数が増えると地域にお金が落ちて活性化に繋がるし、弊社の場合は宿泊客やグッズの売上、乗馬利用が増えると、それが巡り巡って新たな引退馬を受け入れできる余裕が出てくる事になったり、人馬共に体制が整えば乗馬予約がもっと取りやすくなる等、人がくればいい事がたくさんあるという良い面がある一方、馬産地観光ならではのトラブルが相次いでいます。(昔もトラブルはありましたが、今はSNSが普及してトラブルを目にする機会がとても増えた印象です)
普通の観光地とは違い、競走馬を扱う牧場が多い日高地方は、防疫上の観点など様々な理由により《一般の方は見学不可》の牧場の方が圧倒的に多いです。
大きく分けると、
【見学やふれあいができる乗馬クラブや観光牧場】
【見学やふれあいができない競走馬の生産・育成牧場】
【見学できる期間や時間やルールが決まっているスタリオンや引退馬牧場】
これらが日高には混在しているので、牧場見学にはルールがある事自体知らない方や、馬に興味のない[観光]目的で来られる方からすると、どの牧場が見学・ふれあいをしていいか、ひとつひとつの牧場にそれが書かれているわけではないので理解してもらうのが難しい、というのが現状なのかと思います。
車で日高を走っていると、道路沿いの放牧地に仔馬がいたりして思わず車を路肩に停めて、近づいたり草をあげたり…という話はよく耳にします。
《観光客》の客層で言うとAERUの前には桜並木があり、ゴールデンウィークあたりで桜が満開になるのですが、その頃は馬ではなく花見目的の観光客が来ることが多いので、連れてきた犬を馬に近づけさせるなど、何も知らないが故のトラブルなども多かったです。
ウマ娘などの影響で日高に訪れる方は増えていますが、個人的には最近の牧場見学者と牧場間のトラブルはその客層というより(ゼロではないが)、観光で訪れたと思われる中高年の方やファミリーも多いように感じてきています。
特に先日の3連休を含め、最近私が見た(注意した)マナー・ルール違反に関しては、多くが中高年層の観光客と思われる方でした。
あくまで自分の肌感ですが、
・SNSなどをあまりやらない(主に中高年層)
・馬が目的ではない
・観光地として日高に訪れる
・初めて日高に訪れる
・牧場見学にルールがあること自体を知らない
このあたりの客層が以前に比べ増えたのではないかと思います。
SNSをしていない層にSNSで注意喚起しても効果はなく、馬が目的ではない観光客にとっては日高の馬がいる牧場の風景は珍しく、思わず車を止めて写真を撮りたくなる景色でもあり、初めて日高に観光で訪れる方は牧場見学にルールがあること自体を知らずに来てしまうので、悪気なくルール違反をしてしまう…
更に最近は外国人の姿も見受けられるようになり、個人だけでなくAERUにも団体バスのツアーで牧場見学に来ることが増えてきました。
⚫︎最近、AERUで起こった事をざっくりまとめると
・見学時間前に敷地に入る
・むしった草を馬に与える
・放牧地沿いの道路に2台(年配のグループ)の車が路肩に停めて見学していたので「あちらに駐車場あるのでご利用ください」と案内すると駐車場ではなく別の放牧地の方に車を移動、路肩駐車をして馬に草をあげていた
・外国人の団体ツアーでは・大声出す・大きな音を出す・傘の使用ダメと伝えているのに使う・進入禁止のチェーンをくぐるなど…
⚫︎近隣や日高管内の牧場で起こった事
・予約制の牧場の敷地内に無断で立ち入る人がいた
・予約制の牧場で見学時間に来ない、または予約時間より早くきてしまい対応に追われる
・見学時間が過ぎているのをスタッフが注意したら通行不可の敷地内を車で走り回る
など、牧場見学のマナー以前の問題も含まれており、正直ひとつの牧場や少数の牧場が注意喚起を呼びかけても限界がある事を感じています。私も昔に比べると見学に来られる方への意識が変わってきて(ルール、マナーを守ってくれているか、と言う目で見てしまう)、精神的にも疲れてしまう日もあります。
AERUは入口がひとつではなく、予約制でもないのでお客様目線では敷居が低く、入りやすい事が長所でもありますが、裏を返せばどこからでも、いつでも予約なしで入る事ができるので常に目配りをしていないといけません。
観光牧場でもあるのでたくさんお客様が来てくださることはありがたいですが、牧場見学ならではのルールやマナーに関しては課題の多い施設でもあります。
それぞれの牧場で抱えている課題をどうにか解決できるようにしていくには横の繋がり(牧場間)だけでなく、異業種との連携もしていかなくてはいけない時代になっていると思います。
例えば、
・日高に訪れる際に使うレンタカー屋さんでマナーについての紙を渡す、あるいは車内に冊子を置いておく
・日高に向かう高速バスの席の前に牧場見学のマナーについての冊子を挟んでおく
(あくまで一例です)
観光で訪れる方が増えている現状、違った角度から馬産地観光について知ってもらう手段を考えてみてはいかがでしょうか。と思う今日この頃です。
イラストレーターの坂崎ふれでぃさんのイラスト。
SNSで牧場見学のマナーを呼びかけてくださっています🎨
イラストレーターの鷹月ナトさんのイラスト。
イラストと文字でわかりやすく見やすく案内してくださっています。感謝🙏
《牧場見学の9箇条》は大前提として知ってもらい、あとはそれぞれの牧場毎のルールがあるのでそれに従いながら楽しく馬産地観光を楽しんでもらえたらと切に願っています。SNSで度々、牧場見学のトラブルで炎上しているのを見ますが、なんだか疲れてしまいました😮💨
全ての人や馬がお互いストレスなく楽しい馬産地観光ができる日を願って…🙏
長文失礼しました。。
ではまた来週👋
乗馬課 太田👨🌾
(つづく)
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こちらもチェック
協力:うらかわ優駿ビレッジ AERU
文:太田 篤志
編集:平林 健一・椎葉 権成・片川 晴喜
著作:Creem Pan
>AERUは入口がひとつではなく、予約制でもない
AERUの敷地(所有地)の登記簿上の「境界」は一応あるのですよね?
であれば、《無断侵入禁止/No Trespass》のサインを、すべての境界線上の目立つ地点に設置してはいかがでしょうか? (ついでに「違反者は刑法130条に基づいて懲役又は罰金に処せられることがあります」と小さい字で書き添えておいては?)
禁止を無視して入ってきた人は不法侵入になりますから、その気になれば訴えることも可能なわけで、悪質な違反行為があった場合などは役に立ちそうです。
正規の入場者には個人・団体を問わず「場内パス」を発行してはどうでしょう?
たとえば「ゲストブック」に住所氏名を記入してもらい、記入者にはもれなく《AERUパス》を渡して滞在中は携帯してもらう。
パスはハガキ大の紙に注意事項を書いたもの。「AERU内で行ってもいいところ、行けないところ」「馬の周りでしていいこと、いけないこと」などなど。もちろん可愛い馬の写真やイラスト付きで。
🤔(う~ん、いろいろとムズカシイ。。。)
>異業種との連携もしていかなくてはいけない時代になっている
そのとおりだと思います。
水際対策として、まず旅行業者との連携が必須ですね。
北海道旅行を「企てる」すべての人向けに《馬産地ルール》(仮称)の啓蒙をしてもらう。
旅行代理店に置くチラシや、書店で販売するガイドブックに《馬産地ルール》の説明を1ページ付け加える。
空港・バス会社・タクシー会社・レンタカーショップなど、道内観光の「足」を提供するすべての業種で《馬産地ルール》を拡散してもらう。✈️🚌🚖🚗🚲 🫏❓
あと、自治体との連携もほしいところです。
馬産地の市町村が「牧場見学のマナーとルール」に関する共通条例を制定し、罰則も設ける。
初回の違反は厳重注意、再犯以上は3段階ぐらいの罰金(違反の回数や程度により金額アップ)。
タチの悪い違反行為や常習犯に対しては、道外追放、入道禁止措置などがあってもいいぐらいだと個人的には思っています💢😠